ほんまる神保町
棚主
紹介
鬼lab.
音楽と民俗とアートをわくらばなるままに包摂する研究コレクティブ。研究員:0号(あちらこちらいのちがけの哲学教員)/1号(全国獅子舞愛好家)/3号(酔いどれフォークシンガー)/4号(近代版画研究院生)*第一回選書テーマ:「心に潜む鬼をみつめる」あなたにとっての〈鬼〉とは何でしょうか——。受け身を取れずに負った打撲の衝撃で、癒えたかに思えた古傷が再びぱっくり開いて血がとめどなく溢れ出る。激情に飲み込まれそうになって、時々自分でも知らない自分が顔を出す。未だに自覚できていない深い傷、暴力性や狂気。あるいは、苦しみのなかに喜びが、憎しみのなかに愛があるのを知っているからこそ、断ちたくても断ち切れず、逃れたいのに逃れられない、一途な故に複雑化していく未練や妄執、情念。それはまさに鬼と呼ぶに相応しく、きっと誰しもが心の奥底に常に抱えているものです。 そんな辛苦と複雑を抱えながら、それでもなお、目の前にある〈いま〉を紡ぎ続けなければならない私たちは、一体どのようにしたら、自分の心の中に正しく鬼の姿を見つけ、向き合い、折り合いをつけていくことができるのでしょうか。 わたしたち鬼lab.は、この問いを問い続けるための灯りとして、いくつかの原典となりうる書物の文献案内を試みました。誰かの地獄が誰かの蜘蛛の糸になる可能性を信じ、小説から評論、詩歌、エッセイに至るまで形はさまざまに、研究員それぞれが出会ってきた本のなかから、ささやかながら答えへの迂路となるものを選んでいます。 これらの本がやがて、あなたのなかの鬼を照らし出し、あなただけの鬼の物語をみつける手立てとなることを願ってやみません。

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