幕臣 小栗忠順

660円(税込)

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時代小説SHOW

著者
植松三十里 著
出版社
PHP研究所
発行日
2026/8/31
状態
中古
ISBN
978-4569905952
ジャンル
小説

本書でまず興味深いのは、小栗忠順の少年時代が描かれていることです。

忠順は、どのような少年だったのでしょうか。

小栗家は二千五百石取りの高禄の旗本でした。父・忠高は駿河台に屋敷を構え、忠順が生まれたときはまだ十九歳で、将軍の小姓組に属していました。

母・お邦は、嫡男の忠順が六歳になると、儒学者・安積艮斎(あさか・ごんさい)の塾に入門させます。艮斎の学塾からは、幕臣だけでなく、吉田松陰、岩崎弥太郎、高杉晋作、清河八郎ら、幕末から明治にかけて活躍する多くの人物が巣立っていきました。

ところが忠順は、暗記が嫌いだったため塾では落ちこぼれ、その一方で武術に精を出していたというのです。このエピソードが面白く、後年の忠順の人物像へとつながっていきます。

成長した忠順は、衝突を恐れず、周囲に敵をつくることもいとわず、必要とあれば直言をためらいません。そして広く世界に目を向け、合理的に物事を進めようとする能吏となっていきます。

そんな忠順の気質や行動原理が、少年時代にどのように形づくられていったのか。本書を読むと、その人物形成にも納得させられるものがありました。

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