さえぐさ編集事務所

    「さえぐさ編集事務所」は、ライター・三枝徹が選んだ本と、自身で制作したZINEを並べる小さな本棚です。

    私は32年間、IT企業でシステムエンジニアとして働いてきました。プロジェクトマネージャーや管理職として仕事を続けたのち、54歳で会社を退職し、ライターになりました。

    現在は、IT・BtoB分野を中心に、企業へのインタビュー記事、導入事例、ホワイトペーパー、書籍原稿などを執筆しています。その一方で、会社員を辞めてからの日々や、家族との記憶、働くこと、生きることについて、エッセイを書いています。

    この棚で販売するZINE『54歳でSEをやめて書き始めた話』は、長く勤めた会社を辞め、未経験からライターとして歩き始めた日々をまとめた作品です。

    会社を辞めれば、すぐに新しい人生が始まると思っていました。しかし、現実はそれほど単純ではありませんでした。仕事が思うように取れない時期もあり、自分には何が書けるのか、何を残したいのかと迷い続けました。

    それでも、文章を書くことで、これまでの人生で見過ごしてきた出来事や、忘れたふりをしていた感情に、もう一度向き合えるようになりました。

    ZINEの中では、ライターとしての試行錯誤だけでなく、会社員時代のこと、家族との思い出、犬との暮らし、旅先での出会いなども綴っています。大きな事件が起きるわけではありません。日常の中に埋もれている、小さな記憶や心の動きを拾い集めた文章です。

    この棚には、自分のZINEとともに、文章を書くことや人生後半の働き方を考える本、思わず誰かに紹介したくなった本なども並べていきたいと考えています。

    本は、必要な情報を得るためだけのものではありません。たまたま手に取った一冊の中に、今の自分に必要な言葉が見つかることがあります。読む前と読んだ後で、見慣れた景色が少し違って見えることもあります。

    ネット通販は便利ですが、書店の棚には、自分では検索しなかった本と出会える楽しさがあります。この小さな棚も、そんな偶然の入口になれたらうれしく思います。

    「何歳からでも、新しいことを始められる」

    そう簡単に言い切るつもりはありません。新しい一歩には、不安も迷いも伴います。それでも、これまでの経験は決して無駄ではなく、思いがけない形で次の仕事や表現につながることがあります。

    会社員として長く働いてきた方。これからの働き方を考えている方。書くことに興味がある方。少し立ち止まり、自分の人生を振り返ってみたい方。

    この棚に並ぶ一冊が、そんな方の心に静かに届けば幸いです。

    ぜひ、気になる本を手に取ってみてください。