『お内儀さんこそ、心に鬼を飼ってます おけいの戯作手帖』(麻宮好・コスミック時代文庫)
日本歴史時代作家協会
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924円(税込)
本の説明
【著者サイン本】第14回日本歴史時代作家協会賞 文庫書き下ろし新人賞受賞作品。
おけいは戯作者見習い。幼い頃火事で両親を亡くし、戯作者の祖父の所に身を寄せる。「見えないものが見える」弟幸太郎と「見えない人の心」を戯作で表したいおけい。だが祖父の原稿の清書を手伝うだ けで、肝心の戯作はまだ書けていない。一方奇談や幽霊譚を得意とした祖父の絵師を「見える」幸太郎が務め、妙に生々しいと大評判だ。
ある日、大店夫婦の心中事件が起き、その後、夜な夜な幽霊が出ると噂になる。戯作のネタになるかもよと親友に言われるがままに、執筆意欲に火がついたおけいは事件を探ることに……。女の幽霊が「見えた」弟と共に、おけいは果敢なくなった人、口を噤んだ人の言葉を物語に紡ぐ――。人の業を乗り越えた人の優しさが染みる時代小説。