織部の妻
時代小説SHOW
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本の説明
乱世を生きた夫婦の物語
武将として織田信長に仕え、茶の湯では千利休に師事した古田織部。本書は、その妻・仙の視点から、夫婦が生きた激動の時代を描く戦国ロマンである。仙は摂津国の勇将・中川瀬兵衛清秀の妹。幼いころから戦乱によって家族と離れて暮らし、キリスト教の教えを心の支えに成長していく。
やがて、信長の命で古田織部と政略結婚する。「へうげもの」を好み、既成概念にとらわれない自由闊達な織部を仙は支えていく。一方の織部も、髪をなびかせて馬を駆り、物おじせず堂々とものを言う仙を深く愛し、ただ一人の妻とする。
信長、秀吉、家康と天下人が入れ替わる激動の時代、二人は七人の子どもを育てながら、ある共通する志を胸に抱くようになる。二人が命を懸けて守ろうとしたものとは何か。仙の語りによって浮かび上がる夫の素顔と家族の愛、乱世の残酷さ。その物語は織部が好んだ破調の美を想起させる。
